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『からくりサーカス』鳴しろSS置き場です。
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(55) 紫陽花や白とは云えど移る色 6/7





こんな浅ましい顔を鳴海に見せたくはなかった。
こんな顔、こんな声、こんな媚態。
色に狂った女に感化されれば、鳴海にその気がなくとも肉欲が頭を擡げるのは詮無いこと。
触れる鳴海の身体が加速度的に熱を持ち出しているのが分かる。
力無く顔を横に向ける。
「エレオノール…」
鳴海が熱い瞳でエレオノールを見つめる。
エレオノールは鳴海にもう、名前を呼んで欲しくないと思った。切なげに、欲情を隠そうともせずに、名前を呼ぶのは止めて欲しい。
たったそれだけで、鳴海の純愛を穢すまいと限界まで張り詰めている理性の糸が切れてしまいそうになる。鳴海に抱かれたいという渇望が堰を切ってしまう。
鳴海がふたりの間に挟まれたままの邪魔なブランケットを剥ぎ、床に放り投げた。


「ナルミ…駄目よ、私たち、こ…ん…ッん…」
口を開けばこの期に及んで制止を訴えるエレオノールの口の中に、鳴海は人指し指を挿し入れた。
前にもこんなことがあった。鳴海の味を懐かしく思う。
鳴海の指は長くて、太くて、嫌でも何かを連想させる。何かを話そうとすれば鳴海の指に歯を立ててしまう。さりとて、口を弛緩させたままでは唾液がはしたなく、流れ出てしまう。溢れそうになる唾液を飲み下そうとすれば、舌の上に乗せられた太い指を吸い上げる形になる。
また、こんな淫らな表情を鳴海に晒すことになるなんて。彼の目にはまるでフェラチオをしているように映っているのかと思うと、恥ずかしくて堪らない。羞恥が興奮を呼ぶ。


身動きもままならないエレオノールの服の中に手袋を付けたままの手が滑り込む。指に纏わりつく、エレオノールの温かく濡れた口腔の感触と、その表情のせいで、鳴海の手はいささか性急に彼女の肌を這い回り、一気にタンクトップをたくし上げた。
夜気に剥き出しにされた豊満な乳房は、重力に流れることなく、その威厳を男に見せつける。
エレオノールが視姦される恥じらいに震える度に、乳房はたゆたゆと揺れ、はねず色のふっくらとした乳首はしゃぶってくれと言わんばかりに鳴海を誘う。妄想の中でエレオノールの胸を散々思い描いてきた鳴海は、今、自分の想像力の貧困さに気付かされた。
「ああ…すげぇ、きれいだ…」
息を荒げながら、エレオノールの乳房を鷲掴む。エレオノールの身体が落雷でも受けたかのように、びくり、と強張った。
鳴海の大きな手の平に負けないボリューム。
この上ない程に柔らかく、それでいて押し返してくる弾力。ずっと求めていた感触。


それを機に鳴海の愛撫は獣じみたものに変わった。
ぐにぐにと揉み上げると、大きな乳房は面白いくらい思うがままに形を変える。
鳴海は誘われるままに白い丘の色づいた頂きに口をつけた。それは既に程良く硬く立ちあがり、止めるように口にしながらも、彼女が自分のキスと愛撫に感じてくれていた証となった。
手袋越しでは柔らかさも滑らかさも存分に楽しめない。鳴海はエレオノールの口から指を引き抜くと、両手で彼女の乳房を揉みしだく。執拗に、エレオノールの乳首を口で嬲る。
舌で唇で歯で、緩急をつけて舐られて、もう片方は濡れた指で擦り上げられ、摘まれて。
じっとりとふたりの肌が汗ばみ始める。
エレオノールは痺れるような快感に、嬌声が上がらぬよう唇を噛み締め、鳴海の首に腕を回してしまわぬようクッションを握り締めるしか術はなかった。


言葉が届かない。
言葉が出ない。


鳴海の男根はとっくの昔に面を上げて、タイトな下着に収まり切れなくなっていた。上からはみ出したそれは臍に張り付いて、先走った透明の汁をその口から垂らしていた。ビクビクと脈打ち、痛いほどに張り詰めた肉茎が欲望の解放を強く求める。
ようやく訪れた、永いこと縁遠くなっていた快楽に溺れるチャンスに、いきり立っている。


もう待てねぇ。
今すぐに、エレオノールの膣内に入れたい。
前戯も何もあったもんじゃねぇと分かっちゃいるが。
身体が言うこと、聞きゃあしねぇ。


鳴海が何の前触れもなく、エレオノールの脚を大きく開かせた。ハッとエレオノールが顔を上げると、唾液で濡れた乳房の向こうで、鳴海が自分のショーツの隙間から指を挿し入れようとしているのが見えた。
「な、ナルミ!もう止めて、それ以上は…!」
エレオノールの言葉を鳴海は聞き入れず、その長い指は薄い草叢を掻き分けて、蜜でしとどに濡れる割れ目へと突き立てられる。
つぷ、と濡れた音がして、抵抗もなく鳴海の指は呑み込まれた。
「…ん…ッあ…」
堪え切れず、エレオノールの口から嬌声が飛び出した。そのゾクゾクする感触に身を硬くする。
鳴海は、エレオノールが既に蜜を溢れさせている事実と、自分の指に吸いつくような肉壁の感触に、興奮が隠せない。
「あ、ああ…」
夢中になって指を出し入れし、掻き回した。たった一度、彼女のナカを堪能した指が、彼女が悦ぶ場所善がる動きをしっかり覚えている。時を置かず、エレオノールの身体がガクガクと戦慄き出す。


たったほんの少し愛撫されただけなのに。
エレオノールは、こんなにも鳴海を欲しがって身体を蕩けさせている自分を恥じた。鳴海にも淫乱な身体だと思われたに違いない。
でも気持ち良くて仕方がない。ずっと求めていた快感、自慰では得られなかった快楽。
いやらしい水音を立てて、鳴海の長い指は軽々とエレオノールの子宮を突く。武骨な指の節くれだった関節はエレオノールの感じる場所を何度も擦り上げる。
指が出入りする度にエレオノールの割れ目からは蜜液が掻き出され、カウチのファブリックの色を重たく変えていく。


理性が欲望に埋没していくのが、自分でもよく分かる。
ああでも!ここで引き返さないと、取り返しがつかない…!
最後の理性を振り絞り、エレオノールは鳴海の手首を両手で掴み、引き離そうと躍起になった。力では敵うべくもない、けれどエレオノールが徹底的に抵抗を繰り返す。
窮鼠猫を噛み、小さく尖った爪が鳴海の手首に食い込んで、痛みに思わず顔を顰めた。自分の指のピストンに悦び喘ぐ卑猥な口からエレオノールの顔へと、視線を転じる。
すると、鳴海と合わせた彼女の瞳には、快楽よりもはるかに怖れと困惑の色が滲んでいた。
止めて、と蒼褪めた唇が動く。


途端、自分に抱かれることを断固拒否しているエレオノールの反応に、鳴海の心に憎しみにも似た怒りが湧き上がった。既に、鳴海の頭は理性的に物を考える努力を放棄している。
鳴海の厚い胸が大きく上下し、ギラギラとした瞳がエレオノールを睨め上げた瞬間、鳴海はいきなりエレオノールの肩口に噛みついた。
「あ…ッく…!」
痛みに小さな悲鳴が上がる。
獲物を仕留めた肉食獣のように、鳴海は柔肌を噛んだまま、ふーッふーッと鼻息を荒くした。
きつく噛まれた白い肌に、鳴海の歯列が赤く滲む。
エレオノールを掴む、鳴海の手が震えた。


鳴海の心の中が混沌とする。
鳴海の中には、エレオノールに性的な行為を無理強いしないという誓いがあった。彼女は過去、ストーカーに強姦されかかったことがあり、半年前には痴漢被害にも遭っている。望まない性的行為に恐怖心を抱いている彼女のトラウマを刺激したくはなかったし、何より彼女を酷い目に遭わせたストーカーと同列になりたくなかった。
だから、どんなに彼女を抱いてしまいたくとも、ずっと我慢に我慢を重ねていた。
けれど、エレオノールがキスをくれた。
その事実は鳴海の獣性を完全に解放した。
それが、鳴海から理性の箍を外し、忍耐を壊した。
エレオノールは、鳴海を女の目で、見た。
口では何と言おうが、今、エレオノールの身体は鳴海を欲しがっている。


もう、我慢するのは真っ平だ。
引き返せねぇところまで来た。
それもこれもエレオノール、自分で撒いた、タネだろうが。
責任持って刈り取れよ!


鳴海はいささか手荒くエレオノールの身体をうつ伏せにさせると、その腰を高く持ち上げた。
「あう…ッ…ナル…ミ!」
この姿勢ではエレオノールの両手は頭の脇で体重を支えることしか許されず、抵抗が出来ない。
鳴海はもう、エレオノールと目を合わせたくなかった。
その表情を見てしまったら、彼女から手を離してしまいそうで。
『良き友人』である自分が『男』である自分の前に立ちはだかりそうで。


鳴海は下着を押し下げペニスに手を添える。
ドクドクと期待に打ち震える肉茎は、自分で触っていても今だかつてないくらいに硬い。
鳴海は、エレオノールのショーツとホットパンツの、失禁したかのようにグショグショに濡れているクロッチ部分を引き千切らんばかりに脇に寄せた。
剥き出しになったエレオノールの秘所を目前にして、鳴海の下腹部に隕石が落ちた。銀の柔らかな草叢に縁取られた卑猥な肉色の割れ目が、蜜に光って男を快楽に誘うべく待ち構えている。
彼女のナカに入ることしかもう考えられない。
鳴海は先走りを自分の親指で亀頭にヌルヌルと塗り広げると、滑るそれをエレオノールの蜜壺に宛がった。



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