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『からくりサーカス』鳴しろSS置き場です。
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最終回 百禍繚乱(中編)



飛行船内に足を踏み入れると、フェイスレスは忌々しそうにエレオノールをマントの中から放り出した。エレオノールは荒っぽく突き押されてよろめいたものの、しゃんと背筋を伸ばし男の前に立った。一糸纏わぬ心細げな姿なのに、堂々と、威厳すら感じるほどに美しい。流石は自分の愛する女の生まれ変わり、だが、それとフェイスレスの腹立ちとは別の話だ。否、愛しているからこその腹立ちだ。
エレオノールの肌から香るのは鳴海との情事の残り香、彼女が他の男に抱かれたという紛れも無い証に他ならない。
「ちっ、おまえから兄さんの匂いがする。くそっ、僕の服にも兄さんの匂いが移った…」
フェイスレスはマントを持ち上げて激臭がするかのような顔をした。
「あーあ…どうしてなんだろうなあ…フランシーヌも、アンジェリーナも、おまえも、僕というものがありながら、他の男に気を許すのは何でなんだい…」
「アンジェリーナ…」
「おまえの母親さ。未開のサルとの間に子供を作るような女には用がないから、僕が殺した」
フェイスレスには一切の罪悪感が無い。害虫を駆除したかのような清々しさすら感じる。
エレオノールには母の記憶は無い。しかし、ギイが語ってくれたその人は、エレオノールに無償の愛を注いでくれていた。フェイスレスさえ執着しなければ、母が死ぬことは無く、エレオノールは親の愛情を一身に受け、こんな過酷な運命に巻き込まれることも無かった。




この男は、私の仇だ。




その想いがつい表に溢れてしまった。
「おおっと。どうしたのかな、その反抗的な瞳は」
フェイスレスに冷笑と共に指摘され、感情を噛み殺した。石を投げ込まれた水面の輪が消えるのを待つかの如く、心を鎮める。
「約束をもう忘れたのか?約束、何だっけ?」
「ナルミにも…お坊ちゃまにも…他の誰にも…手を出さない…その代わりに、私は、あなたの妻になる…」
「そう。おまえが僕の求める妻になってくれた暁には?」
「ゾハナ病の止め方を教える…」
「そう。良く分かってるじゃないか」
フェイスレスは芝居がかったわざとらしい仕草で両手を広げるとケタケタと笑った。
「それを言い出したのはおまえだってことも忘れるな」
「ああ、分かっている」
「ふん」
フェイスレスは、すっかりと感情を仕舞い込んで静かな瞳になったエレオノールを一瞥すると先に立って飛行船内の廊下を歩き出した。エレオノールは全裸のまま、その後を大人しくついて行く。


「それにしても、全く抵抗しないで僕の元に来たのには何か魂胆があるのかい?」
ふたりのことは最初から鴉に見張らせていた。ふたりが一線を越えたことに気付き、フェイスレスはディアマンティーナを遣いに出した。
「それどころか『フランシーヌ人形の記憶が戻りエレオノールが消滅した態で演技をして欲しい』なんてね」
「私が『フランシーヌ人形』であれば彼は私を憎む。私が『エレオノール』である以上、彼は私に情を残す」
愛している、そんな言葉を鳴海の口から聞けるだなんて思わなかった。それは儚い願いでしかないと、思っていたのに。
身体を重ねた。
夢のような、時間だった。
鳴海に抱かれた幸福な余韻の中、荒天に真夜中の鴉の鳴き声が聞こえた時に我が身の振り方を悟った。日常に不自然な程見かけた鴉に覚えた違和感は正しかったのだ。
もしも、鳴海が愛してくれて、一度でも結ばれることが叶うなら死んでもいいと、のべつ幕無し考えていた。だから、エレオノールはもう、鳴海や勝のためになるのなら、自分がどうなろうと構わなかった。


エレオノールが自己犠牲の精神を発揮してフェイスレスの虜になった場合、鳴海も勝も『エレオノール奪還』に動いてしまう。自分達の為に人柱になったエレオノールのために逆に彼らが我が身を犠牲にしかねない。
それではいけない。鳴海にも勝にも、危険なことは決してして欲しくない。
エレオノールの自我が消え、完全悪としての『フランシーヌ人形』が乗っ取った身体ならば、彼らは何の罪の意識を覚えること無く滅することが出来る。むしろ『可哀想なエレオノール』を諸悪の根源の呪縛から解放すべく、積極的に殺してくれるに違いない。
それに、殺したのがエレオノールでは、鳴海が後追いして命を落としてしまう。それだけは絶対に避けたい。鳴海には死んで欲しくない。自分亡き後の世でも生きて、幸せになって欲しい。
それがエレオノールの願いだ。
だからエレオノールは、フランシーヌ人形にならねばならない。ギイが語った、赤ん坊を守って消えた優しい人形ではなく、『しろがね』が語り継いだ冷酷無情の悪の女王として。人生最期の大舞台、与えられた大役を見事演じ切ってみせる。


「彼が私を嫌った方が、あなたも都合がいいだろう?私も、未練が断ち切れる」
「まあね」
互いに利があることは確かだ。
「僕としてもまさかアイツが、おまえを愛する、なんてことがあるとは思ってなかった。直前まであんなに憎悪してたくせにさ」
だから二人が一つ屋根の下で暮らし始めても放置していた。面差しの良く似たふたりが銀とフランシーヌを彷彿とさせたとて、鳴海がエレオノールに与えるものは、憎悪と拒絶だ。事実、銀がフランシーヌを虐げている様で、覗き見していて楽しかった。勝とのゲェムが仕上がるまでの一興、鳴海に打ち据えられたエレオノールを、勝の姿で迎えに行く。鳴海に傷付けられたエレオノールの心は、彼女のために人知れず戦い続けていた勝の愛に癒され、今度こそ切れぬ絆で結ばれる、
はずだった。
なのに一気に黒を白に変える心変わり。
兄さんは昔もそうだった。何食わぬ顔をしておきながら、フランシーヌのことなんて興味ないフリをしながら、まんまと彼女を奪っていった。
変わらない、今生でもフランシーヌを兄に奪われてしまった。


「我が身を人身御供に捧げても良いほどに、それだけ大事に想ってる…てワケだ。アイツらのことを」
揺らぐ瞳を隠すため、長い睫毛が伏せられた。
「それも最後だ…もう、忘れる…」
「殊勝な心掛けだ」
フェイスレスは肩越しにニヤリと笑い、両開きの分厚い扉の前に立った。
「さ、ここがおまえの部屋だ。従者を三匹つけてあるから…まあ、旧型のオンボロだけどね」
扉の脇に侍っていた、おそらくは見張りの自動人形達が恭しく両の扉を開いた。エレオノールは警戒しながら、フェイスレスに続いて室内に足を踏み入れる。そこには膝をつき、手をつき、深く首を垂れて控える三体の自動人形が居た。
「ポンコツ共よ。彼女がおまえ等の新しい主だ、しっかり尽くせよ」
「ははっ」
三つの頭が揃って更に深く落ち、持ち上がる。そして揃って、面に驚愕の色を濃く漉いた。
「ふ…フランシーヌ様…」
異口同音に、かつての自動人形の首領の名を呼ぶ。人形なのにずいぶんと人間のような表情をする、とエレオノールは思った。フェイスレスは何が可笑しいのか、腹の皮が捩れるほどゲタゲタと笑った。


「おまえ等、最初の仕事だ。彼女を風呂に入れろ」
一頻り笑い転げた後、フェイスレスは三体の人形に命じた。
「どこに出しても恥ずかしくない貴婦人に仕立てろ」
それからエレオノールに目を転じると
「アイツの匂いを完璧に洗い流せ」
と言い放った。くい、と顎を上向かせ、耳元に唇を寄せて囁いた。
「身綺麗になったら僕の部屋に来るんだ。おまえは僕のものだってことを思い出させてやる」
フェイスレスの指が顎から喉へ、鎖骨を撫でて乳房の丸みを確かめる。下卑た熱を言葉に感じた。身体を汚されるために身綺麗にするのは何とも馬鹿馬鹿しい。それに、身綺麗、も何も、鳴海の情痕が残る今ほどこの身が清められたことはない。
しかし、それを訴えても詮無いことだ。エレオノールは深く目蓋を下ろし、静かに息を吐いた。
ありがとうナルミ、愛してくれて。
そしてさようなら、どうか、私のことを忘れて。
「はい、あなた…」
エレオノールは大人しく頭を下げて従順の意を示した。







重々しく扉が閉まる。
「ふん…どいつもこいつも…」
フェイスレスはエレオノールの自室を離れながら、顎ひげを捻りながら鼻を鳴らした。
フランシーヌもアンジェリーナもエレオノールも、自分というものがありながら何故、他の男に心を許すのか。先に好きになったのに、ずっと見守っていたのに、周到に出会う算段を付けていたのに。いつもいつも、後から現れた誰かが彼女達の心を奪って行ってしまうのだ。
「今度も失敗した…何でだ…」
約束を担保に、エレオノールはもう我が手を離れることは無い。だが心は既に、他の男の手に落ちた。身体を支配出来ても、その瞳が自分を見ることはもう無い。心ごと、欲しいのに。
フランシーヌと同じだ、あの静かな瞳が苛々させる。


あの日の教会で、銀を見つめたフランシーヌの瞳。あの瞳が欲しい。
あんな瞳で自分のことも見つめて欲しかった。


サングラスの奥で、フェイスレスの瞳は冷たく凝った。
「“あの”エレオノールはもう要らないな…」
母親と同じ、雄ザルに身体を許した。だから母親と同じく、この世から抹消しよう。
あのエレオノールの存在意義は、
体内に隠した『柔らかい石』と
フランシーヌと瓜二つの容姿、
そして、フランシーヌの髪が溶けた『アクア・ウィタエ』を飲み、その記憶を宿した脳みそ。
「結構、使い道あるじゃないか」
汚染された心なんぞ、初めから必要ない。


まずはエレオノールのクローンを培養する。
並行して、エレオノールの頭の中を攫い出し、フランシーヌの記憶を探す。フランシーヌの記憶を抽出したら、不必要な箇所をデリート。銀を好きになる前の『純粋なフランシーヌの記憶』をエレオノールのクローンにダウンロードする。
それが終わればエレオノールは用済み、遠慮無く体を切り裂いて『柔らかい石』を取り出し、肉は廃棄する。
自分もまた、自身のクローンを作り、若い肉体に己の記憶をダウンロードする。
『柔らかい石』から生成した『アクア・ウィタエ』を飲めば、永遠に愛し合える恋人同士の出来上がりだ。今度こそ、フランシーヌの全てを手に入れる。心も体も、焦がれる瞳も、優しい微笑みも、全てを。


「世界中の人間には滅んで貰わないとな。『フランシーヌ』が目移りする危険は全て排除しとかないと」
ゾナハ病の止め方を教える気などさらさら無い。
「人形達の餌に必要なだけ上質な女子供だけ残して、牧場でも作らせるか」
鳴海が憎い。今生のフランシーヌを汚した鳴海が、今生でもフランシーヌを奪った銀が憎い。
「殺すのは簡単だけど…簡単には殺したく無いなぁ…」
フランシーヌと結ばれ、仲睦まじくする姿を銀に見せつけたい。これが正しい在り方なのだと、鳴海の中の銀に教えてやりたい。
にい、とフェイスレスの目がいやらしく弧を描いた。
「そうだ、いいコト考えた」
鳴海の四肢はマリオネットだ。分解してしまえば身動きも取れない。舌を噛めないように猿轡をして、体も拘束して、自分とフランシーヌの濡れ場を鑑賞してもらおう。きっと悔しがって身悶えるに違いない。くねくねと芋虫のように踊ってもらおう。


銀は逃げられない。
もう、弟から離れて行かない。


兄さんが、側に居る。
これから三人仲良く、暮らせるんだ。







薔薇の香りのする乳白色の湯の中で、膝を抱え丸くなる。冷えた身体に温かな湯は心地良いはずなのに寛ぐ気持ちにはなれなかった。鳴海が触れた肌を洗い流したくはないが、フェイスレスに触れられた皮膚は刮げ落としてしまいたい。エレオノールは湯に顔を付けると、フェイスレスの舌の感触が残る口腔を入浴剤入りのそれで濯いだ。
「フランシーヌ様、お湯加減はよろしいですか?」
老人の姿をした自動人形が訊ねた。名はパンタローネ、「ああ」と返事をする。
「フランシーヌ様。お湯に薔薇の花びらを浮かべましょうねぇ」
少女の姿の自動人形が言った。名をコロンビーヌ。小さな手が赤い花びらを一枚一枚浮かべて行く。
「フランシーヌ様、お召し物はこちらのドレスは如何でしょう」
青年の姿の自動人形が問うた。名がアルレッキーノ。クラシックなデザインのドレスを手にしている。「構わない」と返事をした。
三体はどことなく嬉しそうに、甲斐甲斐しく動いている。命無き人形なのに、感情の高揚が見て取れる。エレオノールもそれを鳴海や勝と出会って覚えたから、良く分かった。


フェイスレスが退室するや否や、三体の自動人形は「フランシーヌ様!」と口々に叫び、エレオノールの膝元へと駆け付け、改めて跪いた。
無機質なモノのはずなのに、その瞳に浮かぶのは興奮、まるで愛する母親に縋る幼な子のように見上げて来る。
「いや、私はおまえ達の言う『真夜中のサーカス』団長の人形フランシーヌでは無い。私は、人間エレオノール」
否定はしたものの、
「人間エレオノールの身体を得て、全きの人間となってお戻りになられたのですね、フランシーヌ様」
と拉致が明かない。しかし、どうせ自分はフランシーヌ人形を演じる役者なのだ、エレオノールであろうがフランシーヌであろうが、今更呼び名などどうでもいいと思い直し、好きに呼ばせることにした。
ナルミが「しろがね」と呼んでくれた。私を「しろがね」と呼ぶナルミが戻って来てくれた今、それ以外は好きに呼べばいい。


「我ら『最古の四人』、フランシーヌ様のご帰還をずっとお待ち申しておりました」
これらが『最古』。エレオノールは『しろがね』として長年、自動人形と対峙して来たが、名前は聞き知っていたものの幹部クラスと見えるのはこれが初めてだった。でも不思議とその姿形が記憶に馴染む。
四人、と言うには一人足りない、と考えていると、
「ドットーレは先だって、サハラでの決戦で、ルシールと相討ちとなりました」
思いがけないところで懐かしい名前を聞いた。ルシールがサハラで命を落としたことは、再会した鳴海から伝えられた。幹部ひとりを討ち取ったとは、流石はルシール先生、と思う。


たっぷり三十分は湯に浸かった。そろそろ出る頃合いだろう。遅くなってフェイスレスが痺れを切らしても困る。のろのろと湯船から出た。
だが、エレオノールは床に爪先がつくや否や、くたり、とその場にへたり込んでしまった。
「…う、うう…」
「フランシーヌ様!」
主人の不調の声にに三体の人形が駆け付ける。
「大丈夫ですか?」
「どうかされましたか?」
彼らは、人間の身体が弱くて脆いことは良く知っていた。その弱い生き物に、彼らの主人は転生してしまった。これからはすぐに死んでしまう人間を労わることを学んでいかねばならない。
ようやく邂逅出来た主人をもう二度と、見失いたくはない。
「湯当たりしただけだ…大事ない…」
エレオノールは床に手をつき、項垂れたまま答えた。
「無理はなさらないでください。人間は『疲れる』のだそうです」
アルレッキーノが主人の背にバスローブをそうっと掛けた。
「ありがとう…。ただ、すまないが…私は女性なので、人形とはいえ男性型のおまえたちに裸を見られることには些か抵抗がある…」
「はっ、思い至らず申し訳ありません」
パンタローネとアルレッキーノは、エレオノールの言葉を受けて一礼し、
「コロンビーヌ頼んだぞ」
キビキビとバスルームを出て行った。


ポタポタと雫がエレオノールの鼻筋を伝う。
「立てますか?少し横になって休みましょう」
コロンビーヌも同じ様に床に手をつき、エレオノールに寄り添った。コロンビーヌの手がエレオノールの手を取ると、キュッと握り返された。
「ふ…フランシーヌ様…」
コロンビーヌは驚いた。かつてこのように人形フランシーヌとスキンシップをしたことなど一度も無い。勿論、コロンビーヌから触れることは畏れ多くしたことは無い。昔、フランシーヌ人形に頭を撫でられ、喜びに歯車の回りが滑らかになったことを思い出す。
あの時と異なる、人間の手の温かさと柔らかさ、その頼りなげな儚さに思考が惑う。
ふと、コロンビーヌは、互いの手の間に何か小さくて硬い物が挟まれていることに気付いた。
「コロンビーヌ」
エレオノールの声色にハッとする。身を接していなければ届かない、微かで聞き取りにくい囁きだけれど、エレオノールの確固たる意思が滾っていた。
「これを、肌身離さず持っていてくれ。誰にも見られてはならない。決して、失くさないように」
「密命、ですか」
「そうだ」
濡れた前髪の隙間から、銀色の瞳が凛と燃えていた。


それは指輪。
鳴海から貰った大切な指輪。
愛する人と繋がるただ一つの寄す処。


捨てた振りをして、膣内に隠し持っていた。弄られたら終わりだったが、流石のフェイスレスも鳴海の精液で満たされた箇所に触れることは無かった。
愛する人と結ばれない未来を受け入れる。その対価として、愛する人から貰った指輪ひとつがこの手に残ればいい。
だが、エレオノールがそれを身に付けることはもう出来ない。肌身離さずはもう不可能、見つかったら確実に捨てられる。
おそらくはこの部屋の中も監視されている。余計なことは出来ない、言えない。だから上せた芝居を打って、コロンビーヌに託すことにした。『しろがね』である自分が自動人形を信用するなんて非常に奇妙な話ではあるが、だからこそ、指輪は安全だろう。
我が身を離れても其処に在ってくれれば良い。
もう二度と戻れなくとも、貴方が生きて居てくれれば良い。
エレオノールは渾身の力を込めてコロンビーヌの手を握った。手の平に星の形が刺さった。


私を笑わせておくれ
コロンビーヌら最古の四人は、フランシーヌ人形から受けた命を達成することが出来なかった。結果、自分達を置いて、フランシーヌ人形は出奔し、人知れず消えてしまった。
でもこうして再び、人間の肉体を手に入れて戻って来てくれた。そして、新たな命を与えて下さった。
「これは私の想いだ。私の宝、私の命、なのだ」
それも、自分を選んで特命を。主人の命と等しいものを自分に託してくださった。
腱が浮き上がる程に力を入れておられるのに、フランシーヌ様の力は何とか細いのだろう。
「かしこまりました。この身を賭して」
守らねばならない。
守ってみせる。
コロンビーヌは手を繋いだまま、エレオノールを抱き起した。



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