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『からくりサーカス』鳴しろSS置き場です。
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(40) 死滅回遊 6/8





言動が「ただのご近所さん」では有り得ないものであることが、エレオノールの背筋に何かしら薄ら寒い心地をさせる。鳴海との関係性が有耶無耶になっていく、おそらく、二度と元には戻れない。温かな笑顔でもって自分を支えてくれた鳴海にはもうきっと、会えない。そんな気がした。
それでもいいと思った。
エレオノールは楽になりたかった。
エレオノールはきゅっと強く瞼を閉じる。太い指が躊躇いがちにエレオノールの恥丘を布地越しに摩った。ゆっくりと、筋に沿い指の背で蜜の溢れ具合を確かめるかのように。
「…あ、んっ…」
びくっと身体が引き攣れた。鳴海がやさしくショーツを下ろしていくのに従って、膝を折り片脚を抜く。触れる、鳴海の熱を遮る物はもう何もない。膝から太腿へ、緊張する筋肉を解すように揉みながら大きな手の平が遡上していく。
「…やっぱり嫌なら嫌って言えよ?我慢はするな…。無理強いみてぇなマネはしたくねぇんだ」
耳元で囁かれる、こんなにも鳴海の声を甘いと感じたことは一度もなくて、勝手に波打つカラダに堪らず脚の付け根にギュッと力をこめた。
「今のおまえは普通じゃねぇから。後になって冷静になって、後悔するようなコトは」
「わ…私がお願いしたの。嫌だなんて…思わない、後悔なんて、しない」
「そうか…」
ならば。
遠慮はしない。
鳴海はエレオノールの脚を大きく開かせると、彼女の股の間に自分の右腿を押し入れ、膝が閉じないようにする。深呼吸して、何度も何度も強張る指を屈伸させて、手を後ろから前に回し、震える指先で目的の場所を探った。さわ、と指の腹に当たる柔らかい叢、それはすっかりと湿って、彼女の準備が整っていることを告げている。
もう一度、大きく息を吐き出して。
腹を決めて、腕を進めると、鳴海の指は秘裂に触れた。エレオノールが反射的に身を捩り、声にならない嬌声を漏らす。鳴海から逃れようと腰を引いたが、それを許さない。中指を滑らせると蜜液の泉が高らかに水音を上げ、温かなエレオノールの肉欲に深く呑み込まれた。


その時、鳴海の胸に去来した物は。
大槌のカウンターをノーガードで喰らって脳震盪を起こしたような、衝撃。憧憬に似たほろ苦い何かが、感動という名前でもって鳴海を殴りつけて行った。
「…ふ…あ、あっ…あ…」
鳴海の愛撫に合わせて、エレオノールが甘く啼く。
彼女の女の部分にどれだけ触れたいと思っていたか、彼女の女の声をどれだけ聴きたいと思っていたか。興奮で心臓が破裂しそうだ、鳴海は歯を食い縛った。いい年した男が情けない、とも思う。
でも幾ら切望しても遠い存在の筈だった。
鳴海自身が『手に入れない努力』を己に強いていたから。
エレオノールのために「どうこうしない」と、心に硬く決めていたのに。
もう限界だ。もう駄目だ。エレオノールを奥深くまで触れてみたい。感じてみたい。これはエレオノールに頼まれたから、エレオノールのためだ、彼女が健全に過ごすために必要な人道行為なんだ、人助けなんだと誤魔化し、自分の欲望に大義名分を与える。


鳴海は乱れた呼吸を整えることも放棄して、立てた指を割れ目に沿ってしつこく往復させる。くちゅくちゅと粘っこくいやらしい音が室内に満ち満ちて、エレオノールは耳を塞ぎたい気持ちでいっぱいになった。触れられるそこから蜜液が止め処なく溢れ出す。与えられる刺激から逃げようと、エレオノールの身体は無意識の内に鳴海の身体から離れようとする。しかし鳴海はそれを認めず、強い腕で肩口をしっかりと抱え込まれる。
鳴海は指全体をエレオノールに埋め、泉をゆっくりと掻き混ぜるようにして膣内を探る。目を銀糸に押し付けて視覚をシャットアウトすると、全感覚をエレオノールに触れる指先に集中させる。
エレオノールの甘い喘ぎは鳴海の鼓膜を通し、脳を侵す。
柔らかな、エレオノールの肉。それは蕩け出しそうなくらいに、熱い。
侵入する、鳴海の指を融かしてしまいそうなくらいに。


「…ッ…く…ぅ… …」
絶え間ない愛撫に上がりそうになる嬌声を懸命に呑み込む。大きな声を上げたら勝が目を覚ましてしまう。キッチンで自分の父親が、母親でない他の女を弄んでいる姿を目撃させるわけにはいかない。
けれど、自分の指と比べたらはるかに太い、他の男の指と比べても、彼女を辱めた痴漢よりも太く、そして長い指に掻き回されたら。しかもそれは鳴海の持ち物。気持ちが良くて開いた唇から勝手に音がこぼれてしまう。
鳴海の熱い息が耳に吹き掛かり、耳朶に軽く唇が掠めると、エレオノールの腰が跳ね、膣内がうねった。締めつけが強過ぎて、膣内で指が食い千切られそうだ。膣壁が鳴海の指に絡みつき、もっと奥へと誘うように吸い付いてくる。指でこれではチンポ挿れたら、との考えは頭から懸命に押し出す。己の本懐を遂げるのが目的ではないのだから。


肉襞を伸ばすように、節くれ立った関節でエレオノールの膣内を擦る。エレオノールの快楽の壺の当たりをつける。ゆるゆると円運動をさせる指をゆっくりと出し挿れして、エレオノールの反応を見て。そのうちに見つける、彼女の感じる場所。抽挿をする度にある点を擦り上げる、すると次第にエレオノールが仰け反り、激しく喘ぎ出した。鳴海から与えられる、彼を愛するエレオノールには強過ぎる刺激、深夜という時間帯を考慮する事も出来ず、勝の存在も消え、エレオノールは大きな嬌声を上げた。
「あ…ッ!ああ…ッ!ナルミッ…、は、あ、あ…!」
快感がじわじわと体内に火を灯す。抽送の速度が上がる。ぐちゃぐちゅと、鳴海の指がエレオノールの秘裂を出挿りする度に尋常ではない音がする。自慰をしたってこんな音にはならない、こんな淫らな音を出しているのが自分のカラダであることが信じられない。


気持ちがいい、自分の指では叶わない、痴漢の指なんかよりも遥かに気持ちがいい。
こんな快楽が自分の中に眠っていたなんて!
それを今の今まで、知らないで生きていたことが不思議なくらいだ。
カラダの中に甘い電流が走る、快楽を貪る声が、自分で聞いていても嫌になるほどの甘ったるい声が、自然と生まれ出てしまう。
鳴海は空いている手でエレオノールの顎を包み、首を上向かせると、その表情を覗きこんだ。あまり、今の自分の顔は鳴海に見て欲しくない、とエレオノールは思う。悦楽に弛緩しきって、目の焦点も合ってなくて、開いた口元からは幾筋も涎が垂れていて。でも、鳴海の瞳も暗闇にそれと分かるくらいにギラギラとしていて、見られているだけで指で弄られている場所が形を失い、融けていくような気がする。
「んッ…あ、あッ…ナルミ、…ッ…」
「エレオノール…声が…でけぇよ…。マサルが起きちまう…」
「ご…ごめん、な…あ…で、でもッ…」
謝りの言葉すら、音量調節がままならない。
「しょうがねぇな」
エレオノールの口の中に、鳴海の指が数本挿し入れられた。
捻じ込まれた指がエレオノールの口の中をなぞる。エレオノールの舌をやんわりと掴まえては捏ねる動きをするそれを、エレオノールは一心不乱にもぐもぐと食んだ。長く伸ばした舌を絡め纏わり付かせると、鳴海が苦しそうな呻き声を漏らした。上と下の口両方に、鳴海の指を貪欲に頬張る。


鳴海は、エレオノールには手でしか触れない、そんな決まりを己に課していた。痴漢に汚された場所を上書きするのが目的だから、自分の指でエレオノールを絶頂に導くことが出来たらゴール。その過程でエレオノールの深いところを触れることが出来たら、それで満足だった。
あえてエレオノールの背後から愛撫していたのは、余計な刺激を排他する目的もあった。正対しては、柔らかな乳房が、忙しない心臓を抱える胸板に押し付けられる。ぐっしょりと濡れた恥骨が、ガチガチにいきり立つ剛直に押し当てられる。とてもじゃないけれど鳴海が持たない。我を忘れて姦してしまう。
ぐちゅぐちゅと泡立てるように入口を掻き混ぜて、遠慮なく指で貫いて、最奥まで、指先に感じる、ざらりとした天井、子宮口を突いて解していると不意にエレオノールの左手が持ち上がった。その手は、エレオノールの奥底に官能を与える鳴海の腕を一撫ですると、すぐに離れていった。鳴海は呆けたエレオノールの表情に目を奪われていたから、彼女の手の行く先には何の注意も払わなかったのだけれど。
いつの間にか、細い指に鳴海のスウェットの腰ひもは解かれていた。


するり、と冷たい手が下着の中に入り込み、スウェットごと押し下げられる。
「おいっ、エレオノール、な、に…を…」
大きな喘ぎ声が漏れそうになり、今度は鳴海が声を殺した。虚空を仰ぐ努張した肉幹がエレオノールに握られる。張り詰めた皮膚の下で、硬い肉樹がゴリゴリと音を立てている。エレオノールは大きなカラダが快感に引き攣れるのが嬉しくて、愛する男の欲望を恍惚と弄んだ。口にも膣にも、鳴海の指を突き挿れられたままで。
「ダメ、だ…て、やめろ、エレオノール…」
両手が塞がっている鳴海はエレオノールの愛撫を振り払えない。もっとも本気で振り払う気など最初からないのかもしれない。だってもうこんな機会は巡って来ないだろう。エレオノールのための昂ぶりを彼女の手で慰めてもらえる機会など。
エレオノールの手の平にキスを落とした時には既に、海綿体は充血しきって過飽和状態だった。勃起するな、はどだい無理な話だ。あの時はできるだけエレオノールの身体から遠ざける努力はしていたのだけれど、こんなに密着して彼女のカラダを嬲っていれば、彼女にだって気付かれる。
エレオノールは更なる上書きをご所望なのだろう。精液には精液で。ということか。
「もう、おまえの…好きにしろよ…」
手を貸す、と言ったのだ。どんなことにも応えると決めた。おまえが欲しがるなら幾らでも、オレを好きに使えばいい。


その代わり、おまえの淫らな顔を、オレの指に弄ばれてイク姿を目に焼き付けさせてくれ


キッチンの片隅で、鳴海もエレオノールも声を堪え、お互いの愛欲の肉を甚振る。
扱かれて硬くなる鳴海とは逆に、解されて柔らかくなってきたエレオノールの肉は、ひくついて、もどかしそうに鳴海の指を締めつける。汗ばむ肌と力み出す身体、エレオノールに絶頂が近づいている。鳴海は彼女の壺を抉るように抽挿する、同時に莢から剥き出した秘芽を指の腹で擦った。上がる水音は高く、勝が起き出さないのが不思議なくらいだ。
「ん…んん…っ…!」
暗い部屋なのに、目も瞑っているのに、エレオノールの瞼の裏が真っ白に焼けて、脊髄を駆け上がる突き上げるような快感に頭の中も真っ白になる。指を包む肉莢の小刻みな収斂に彼女が絶頂を迎えたことを知り、鳴海はエレオノールの唾液に塗れた手で手を重ねると、強制的に己を扱かせた。阿呆のような笑みを浮かべた口元からは荒げた息を吐き出して、己の剛直を握り締める白い手を凝視する。
ああ、くそ
ぶっ飛びそうだ
熱が鈴口に向けて一気に上り詰める。エレオノールの手の平で膨れた亀頭を覆うと、その中に精を放った。溜めに溜めこんだ、エレオノールへの白濁とした想いは馬鹿みたいに大量で、彼女の望み通り、その手は鳴海に汚された。



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