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『からくりサーカス』鳴しろSS置き場です。
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舞台設定、人物設定、その他もろもろ完全創作です。






銀と黒の詩。
そのろく、春夏秋冬 ~ひととせ・初夏~





<下>


狭い洞窟にナルミの低い笑い声が響く。
しろがねは【穴があったら入りたい】の言葉の意味を身をもって知り、どうやったらこの恥ずかしさから逃れられるのだろうかと必死になって考えた。
「くっくっく…」
「もういいだろう?いつまで笑っている?」
「わ、悪ぃ…」
「もうっ」
悪いと言って笑い声が止んでもナルミが自分の莫迦を楽しんでいるのが空気で分かるので、しろがねはもうナルミの反応を無視することにした。ナルミを意識するから恥ずかしさがいつまでたってもなくならないのだ。



しろがねは洞窟の中を見回した。焚き火でほの明るくなった洞窟は思ったよりも浅くこじんまりとしていた。さっき、暗闇が溜まっていると思ったときにはとんでもなく深いように感じられたのに、それはどうやら自分の恐怖が生み出した錯覚だったらしい。壁沿いに乾いた焚き木や薪が積んであり、ナルミは闇雲にここに飛び込んだのではないことが見てとれた。
「ここは…」
独り言が呟きになって漏れた。別に声にするつもりはなかったけれど、静かな洞窟はやたらと声が大きく反響する。
「ああ、ここはなぁ」
おかげでナルミの話題の興味も他所に移ってしろがねはホッとした。
「こういう時とか、何らかの理由で家に戻れなくなった時に当座凌げるように構えてあるオレの【秘密基地】」
「秘密基地?」
「うん、オレしか知らない。マサルにも教えてねぇ秘密基地」
ナルミは焚き木を小さく折って火にくべる。
「ここの他にも何箇所かあるんだぜ?特に人間の住むとことこの森の境目に多いかな。例えば…」
と、ナルミはしろがねに【秘密基地】の場所を教えた。
「オオカミ、ってのはけっこう追い回されることがあるからさ…この森は平和だけどよ」





ナルミやしろがねの住む森一帯ははおとぎ話の森。人間の踏み込まない不思議な場所。おとぎ話に出てくるオオカミは群れで出てくることはないのでその決まりに従ってこの森にはオオカミがたくさん住めない。だからナルミは自分以外のオオカミに会うことがないのだけれど、住んでいる動物たちは自分たちがこの森に住む以上そういったおとぎ話に基づく決まりに縛られていることを知らないのだ。動物たちはオオカミを怖がってそのせいで友達ができづらい欠点はあるけれどそれでも平和だ。
けれどその森を少しでも出るとそこは人間たちが闊歩する世界。オオカミは狼であり、人間たちの狩猟対象になる。家畜を守るため、その毛皮を狙うため。オオカミは銃で撃たれる定めに晒される。そんなときに逃げ込める場所をナルミは何箇所か用意していたのだった。





「オオカミが怪我して……血塗れで森に戻ったら皆を驚かしちまうだろ?」
気の小さい善良な彼らはオオカミを恐れているけれどそれ以上に人間を怖がっている。森で一番の乱暴者が人間にやられたと知ったらパニックを起こしてしまうに違いない。
あなたはやさしいな。
しろがねは思う。あなたは弱き者に気配りを欠かさない。皆はあなたをオオカミってだけで嫌うというのに。やさしいな。本当に温かだ。
「秘密、なのだろう?それを私に教えていいのか?」
しろがねがそう訊ねるとナルミは「いいんだ」とあっさりと言った。
「おまえはいいんだ…。同じオオカミだしな」
ナルミは折った焚き木のもう半分を火の中に放り入れた。火の粉がパッと散った。



「オマケにその派手な銀色。人間に見つかったら厄介だろ?オレ以上にさ」
「……」
しろがねは自分の銀色にキラキラ輝く尻尾を見遣った。この珍しい毛色のせいでどんなに苦労をさせられたことだろう。
「真っ黒なオレの毛皮なんかよりも人間には価値があるだろ」
「私は私の銀色が嫌いだ。私も普通の毛色だったらよかったのに」
しろがねがボソボソと呟いた。
「まぁ…でも…オレは好きだな、おまえの色」
ナルミは新しい焚き木に手を伸ばした。
「おまえは嫌いか知んないけど」
ナルミの言葉にしろがねの耳がピクンと立つ。
「だから…もしもおまえがその銀色のせいで人間に追い回されたらここを使えばいい。干し肉とかも置いてあるんだぜ?何日か過ごせるくらい」
ナルミの温かさが苦しくて、しろがねは自分の尻尾を胸に抱き締めて丸く丸くなった。ナルミが炎の中に焚き木を投げたのが分かった。



ナルミは嬉しかった。こんな風にしろがねと話したのはいつ以来だろう?もしかしたら出会ってから初めてのことかもしれない。
再会したばかりのしろがねは怒ってばかりで、そのうちに素っ気無いだんまりになって、ナルミが告白した辺りでほんのちょびっと会話が続くようになった。ナルミがささやかな前進を喜んで間もなく、ミンシアがやってきてしろがねと過ごす時間がまるでなくなってしまって現在に至る。
でも、久し振りに持てたふたりきりの時間はナルミの予想以上に雰囲気がよくって、しろがねは可愛くて、反応が良くて。ナルミは胸の中がホコホコとくすぐったいくらいに温かくて口元から笑みが消えないのだ。
相変わらず恋愛対象には見てもらえねぇし、警戒も解いてもらえねぇけど、なんだ、話そうと思えばこんな風に話せるんじゃねぇか、オレたち。
問題は「どうやったらこの警戒を解いてもらえるか」なんだよな。今は、嫌われる、って感じることはねぇんだけど。それだけでも嬉しいや。



でもそのうちに沈黙が訪れてしまった。
火がパチパチとはぜる音以外で口を利くものはこの洞窟内にはいなくなってしまった。しろがねは自分の尻尾をぎゅっと抱き締めて黙り込み、ナルミはしろがねが黙ってしまったので自分も口を噤むことにした。
ドロドロと唸っていた雷がいまやゴロゴロと怒鳴り声をはっきりとさせてきた。それとともに洞窟の中にも射し込んでくる雷光もひっきりなしになってきた。
「近づいてきたな。それにしても…すげー雷だなぁ」
ナルミの言葉にしろがねの返事はない。



しろがねの返事がないのはナルミとの関係云々ではなく、雷が怖いせい。動物、ってのは総じて雷が苦手なものだ。ナルミだって好きじゃない。いきなり目の前を真っ白にするくらいに光って、唐突に鼓膜が破裂しそうな轟音が鳴り渡ったりするとナルミの太い尻尾だって縮こまってしまう。
ナルミと会話をしている間は楽しくて気が紛れていて雷のことをすっかり忘れていた。でも会話が途切れて静かになったら急に雷の音が気になって、気になってしまったらもう怖くてどうしようもなくなっていた。
雷はしろがねに思い出したくもない過去を思い出させる。
心の中から抗いようのない絶望と恐怖を引っ張り出す。
だから、雷が大嫌いだった。
真後ろにナルミがいるのに彼に縋れないしろがねは縮こまって強く目を瞑って、両手で耳を押さえて恐怖に必死で耐えた。





真っ暗い天幕の中。
入れ替わり立ち代り、不躾な人間たちの視線が物珍しい銀色を貫く。
私を覗き込む人間たちの顔がピカリピカリと光る。
眩しくて、目が痛くて、怖い。
ガヤガヤガヤガヤ、人間たちの言葉は煩くて堪らない。
お願い、この檻から出して。
私は帰りたいの。
銀狼の森に。
やさしい両親と兄様のいる故郷に。



明日が分からない。
気紛れな人間はいつ、私の毛皮を欲しがって私を殺すかもしれない。
私は小さくなって蹲る。
誰か助けて。
独りで恐ろしさに耐えるのはもう嫌。
そんなことを思い出させる雷は大嫌い!
そして雷が大嫌いなもうひとつの理由は、あの大きな音が





雷雲はとうとうナルミとしろがねの頭上辺りへとやってきたようだった。
バリバリと空気を引き裂くような雷鳴が止め処ない。
そして雷の音はついにドカン、ドカンになった。





私に狙いを定める、銃声に似ているから―――!





あんまりな雷の大音響にナルミも少ーしおっかない思いをしていた。動物というものは総じて雷が苦手でナルミも類にもれず苦手だ。さっきまで「しろがねもハダカなんだよなー」なんてソワソワしていた尻尾がピンと硬くしまって動こうともしない。しろがねの手前、カッコ悪いとこは見せられないからって虚勢を張ることなんかない、と言ったらそれは嘘。自宅でひとりきりだったら絶対に布団に頭を被って震えているだろう。
ジワジワと近づく雷がこれまでで一番大きな、ドカン、と音を立てたとき、ナルミは飛び上がるくらいに驚いた。
雷が地響きするくらい近くに落ちたから、ではない。
しろがねがナルミの背中に抱きついてきたからだ。





ナルミはカチンコチンに凍りついた。
最初はしろがねが自分の想いを受け入れてくれて積極的なお誘いに出てくれたのかな、とか思った。でも、それはすぐに自分の思い違いだということに気がついた。
しろがねはガタガタと震え、ナルミに縋りつく指に力が入りすぎて爪が肌に食い込んで痛いくらいだ。ナルミが寄ると触ると「寄るな、触るな」と大騒ぎするしろがねが自分からナルミに抱きついてくるなんてありえない。ありえないことをするくらいにしろがねは雷を怖がっているのだ。
しろがねから伝わってくる恐怖はとんでもなく大きくて、ナルミは自分の恐怖がいかにちっぽけなものかを知った。しろがねは額をナルミの背中に擦り付けて光が瞼を通らないようにしているようだった。



「しろがね、本当に雷が怖いのか?」
ナルミの問いかけに、しろがねは震えながら素直に何度も頷く。その合間にも意地悪な雷がしろがねを怖がらせる。その度にしろがねの全身がビクンビクンと跳ねる。可哀想なくらいに。冷えた冷えたしろがねの身体。ナルミは少しでもしろがねの恐怖を取り除いてやりたいと思った。
だから。
ナルミはぐるんと振り向いてしろがねを抱き締めた。しろがねの細い身体を膝の上に抱き上げて、その頭を自分の胸元に押し付ける。そうして長い腕でしろがねを包むと大きな手の平でしろがねの耳と目を遮ってやった。しろがねの震えがピタリと止まる。
触るなと言っただろう?そう怒鳴られて、両手で突っぱねられて、これまで頑張ってきた信頼回復が多少マイナスになるのも覚悟の上でしろがねを抱き締めた。自分を怒ることでしろがねが雷の怖さから抜け出るのなら嫌われてもいいや、と思った。





けれど、しろがねは呆然としているのか、ナルミのなすがままになっている。大人しく鳴海の胸に頬をくっつけて、肌と肌を密着させている。だからかえって、ナルミは困ってしまった。反応があった場合のシミュレーションはできているけれど、無反応の場合はどうしていいのか分からない。しろがねが「放せ!」と言ってくれない以上、ここまでやったナルミが「すまん」と腕を解くのも奇妙なことで。
黙っていて、こうして抱き締めるのが目的の確信犯に思われても嫌なのでとりあえず話しかけてみる。



「あー…しろがね。『何をする!』って怒ってもいいぜ。約束を破って思い切り抱き締めちまってるからな」
しろがねからの返事はない。
「あー…えー…怒ったらいいんじゃねぇのか?怒れば気が紛れるだろ?『こうやってくっつく程あなたのことは好きじゃない!』とか何とか…」
相変わらずしろがねからの返事はない。それどころか徐々にしろがねの体重がナルミの胸にかかっていく。しろがねが身体をナルミに預けていく。無警戒に、無防備に。しろがねが自分の重みも柔らかさも匂いも、恐怖も、何もかもを、ナルミに預けてくる。ナルミは頭の中がグルグルして心臓がバクバクして息苦しいったらありゃしない。
「おいおい、しろがね…」
しろがねはしっかりとナルミに抱きつく。分厚い胸に押しつけられている耳に響く、ナルミの全力疾走の心臓の音。しろがねはその確かな音に耳を澄ました。





可笑しい。ナルミのカラダが刻むリズムと私のカラダの刻むリズムが同じだ。力強い血潮のリズム。瞼を下ろすと真っ赤な色が見えてきそうだ。
激しい雷の音も光も、もう私に恐怖を与えることがない。
ナルミの腕に守られている私にはもう何も怖いものはない。
雷が、とても遠い。





「怖がっても笑わねぇよ?だってすげぇ雷だもんな」
「……もう、怖くない」
「へへっ、無理すんなよ。オレなんかに抱きついてるクセに」
「……違う。あなたが抱き締めたのだ」
「嫌なら離れろよ」
「……離れるのが面倒くさい」
「何だそりゃ」
自分を抱えるナルミの体が揺れたので、しろがねはナルミが笑っているのだと分かった。雷が辺りを騒々しくしても、これだけ近く寄り添っていれば囁きで事足りる。





「しょうがねぇから抱えててやるよ。雨が止むまで。肌を合わせてた方が温けぇだろ?」
「……抱えるだけ、だからな。それ以外のことはしないで」
「分かってるってば。天地天命に誓って襲ったりしねぇから」
「……信じているからな」
「しろがね」
「何だ」
「愛している」
落ち着きを見せ始めていたしろがねの心臓がまた鼓動を早めた。
しろがねは聞こえないフリをした。



「しろがね、愛している」
ナルミは呪文のように愛の言葉を繰り返す。しろがねはナルミの腕の中で、その想いにも抱き締められる。言葉の一文字一文字が肌を穿つ。骨まで染む。
「本当に、愛しているから」
しろがねを包む、ナルミの腕の円が熱っぽく狭まった。
このまま。
愛し合えたらどんなに楽だろう?今のふたりはお誂え向きの格好をしている。お互いの尻尾の陰でナルミは屹立し、しろがねは濡れている。今すぐにでも深く繋がることができる。
こんなにも熱く愛を打ち明けられたらナルミに身を投げ出したくなる。
「しろがね」
そんなこと、私にはできないのに。
この森で誰かと一緒になってしまったら…もう…。



「やめてくれっ!」
しろがねは堪らず身体を起こし、ナルミの瞳を見て睨みつけた。ナルミと瞳を合わせようとして、ナルミの視線が自分の目よりもずっと下方、胸元に落ちているのに気がついて
「バカっ!」
としろがねはナルミの両目を手で押さえた。
「油断も隙もないんだから!」
「な、何だよ!見せたのはおまえだろう?しょーがねーだろ、見事な乳を放り出されたら見ちまうのは当然のことで」
「……」
「不可抗力をどうしろと」
「もう…私に、あなたの気持ちを訴えるのはやめてくれ…」



饒舌だったナルミがピタ、と止んだ。ナルミの口元から笑みがゆっくりと消えていくのを、しろがねは苦しそうに目元を歪めて見守った。
また、雷が近くなる。



「…やっぱ、迷惑か…?オレに想われるのは」
暗く沈むナルミの声。しろがねには、ナルミが自分の手の平の内側で泣きそうな瞳をしていることが見なくても分かった。ナルミを悲しませた自分が心底嫌だった。
「迷惑、とかじゃない。私は…どんなにあなたが愛してくれてもそれに応えることができない。だから…」
「求愛しているのがオレだから?オレがオレだから、か?他の男だったら求愛に応えてるってことか?」
「違う」
ナルミには見えてないと分かりつつも、しろがねは首を振った。
「違う。あなただから、困る」
「オレだから?」
「他の男だったら歯牙にもかけない」
他の男に好かれようが嫌われようがどうでもいい。自分の出方で相手がどう思うかなんて知ったことじゃない。こんなにも誰かの一挙手一投足に一喜一憂したのはこの大男をおいて他にはいない。
あなたの想いに応えられたらどんなにかいいだろう。





でも。
私はこの森にずっとはいないから。
私は帰ってしまうから。





「それはどういう」
ナルミの言葉はそこで途切れた。膝に何かか一粒落ちた。
それに気を取られたとき、何か柔らかなものが唇に触れた。一瞬のことで、何が触れたか分からない。そもそも一瞬過ぎて、触れたかどうかも定かでない。ナルミの気のせいだったのかもしれない。でも、何かが触れることで「それ以上は何も言わないで」と言わんばかりにナルミの唇の動きを止めたように思えたのだ。



そう例えば、唇。
しろがねの唇が触れたような気がした。
しろがねがくちづけをくれたような気がした。



そっと、しろがねの手がナルミの目の上からどいた。ナルミがしろがねと目を合わせるよりも早く、彼女はナルミの胸元にまた丸くなった。寂しいオオカミがいた。
そしてナルミも寂しいオオカミになっていた。
こんなにふたり、近く近くに寄り添っているのに。想いだけが、寄り添えない。
ナルミはさっきよりももっとずっと、想いの丈をこめてしろがねを雷から守るべく抱き締めた。





「……しろがね」
「……何だ」
小さな、小さな、囁き。
「おまえが困るってなら、オレはもう言わねぇよ」
「……」
「言葉で困るなら、態度に出しても困るんだろ?だから…おまえに触れるのも今日、これが最初で最後だ。この雷が止むまで」
「……」
「その後はもう……おまえには二度と……好きだって素振りは、見せない。これまで、困らせるようなことばかりしてごめんな」
ごめんなさい、は私の方だ。
しろがねはナルミの腕の中でぎゅっと身を硬くして縮こまった。



「だけどな」
ナルミの大きな手の平がしろがねの髪をやさしく撫で、肩を温かく包み込む。
「おまえが何て言ったって、例えこの先、言葉や態度に表さなくったって、オレはおまえを愛しているから。そこんとこだけ、忘れないでくれ」
「……分かった」
「どんなときでも、オレが好きなのはおまえだけだ。毎日会いたいのも、楽しくお喋りしたいのも、笑顔を見たいのも、抱き締めたいのも、おまえだけなんだ」
「分かった、と、言うのに…」
しろがねは何か熱いものが瞼を割って流れ出てきそうになるのを必死になって堪えた。ナルミもまた先程までの楽しかった気持ちが一転、締め付けられそうな苦しさに喘ぎそうになるのを懸命に抑えていた。
「これで最後……愛している……」
ふたりの関係を具現化したかのような激しい雷雨。



「雷……ずっと鳴っててくれねぇかなぁ……」
あんなに止んで欲しかった雷が、一生続いてもいいと願うほどに。
ナルミは力なく、しろがねを揺する。ナルミが頬をしろがねの髪にヒタリと添うので湿ったナルミの長い髪がしろがねの顔にかかった。
この時間を永遠に続かせてくれるのなら、私は雷を好きになってもいい。
それきり、ふたりが口を開くことはなかった。



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