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『からくりサーカス』鳴しろSS置き場です。
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分類に悩む読み物です。
義務教育を終えてない方はご遠慮ください。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

Unbalance.

 

 

 

 

 

 

 

31. I love you.  -3-

 

「すごく…気持ちよかったの…」

恥ずかしそうに鳴海の首元に顔を埋めるエレオノールの髪をそっと撫でて、よかったな、と鳴海は笑った。

控えめな星の明かりにエレオノールの瞳が潤んだように光っている。

鳴海は星屑を散らすエレオノールの銀色の髪にくちづけをすると少し冷えたその肩を大きな手の平で包み込んだ。

「私ね……夢で同じことをされても少しも気持ちがいいと思えなかった。怖いだけで。辛くて、哀しくて…。

でも時々…心とは無関係に身体だけが反応してしまうことがあって…そんな時、ものすごい自己嫌悪に陥った…。インさんを裏切ってしまう自分の身体が大嫌いだった」

エレオノールは鳴海の胸に耳をつけた。力強い鼓動が響いてくる。

「今はとてもいい気持ち…すごく安心できる…きっと私もう、あの悪夢を見ることはないわ」

「オレもそう思う。悪夢がおまえを苦しめることはもうねぇよ」

鳴海の腕がしっかりとエレオノールの身体を抱き締めた。

「ナルミお兄様…」

エレオノールは自分を包んでくれる鳴海の温もりに幸福そうに瞳を閉じた。

 

 

「あのな、オレを『お兄様』って呼ぶのやめろって。何だか自分が犯罪者になったような気になる」

鳴海は引きつり笑いをする。

それか小児性愛を持つ変質者、若しくは近親相姦者。尤も、今この現場を誰かに見られたら鳴海には申し開きのしようもない。

お互いに愛し合い、同意の上の行為でもエレオノールが11歳の少女であることには違いない。

自分はその幼い花を散らしているのだ。

「だって口が慣れてしまっているのですもの」

これまでずっとつけていた『お兄様』、を取って『ナルミ』と呼び捨てにするのはまだ恥ずかしさもある。

意識的に呼び直しているところがあるエレオノールには、無我夢中になって愛されている最中にそこまで気が回らない。

今はすっかり頭から抜け落ちていた。

「気をつける、けれど…」

「ま、それだけ気持ちよかった、ってことか?それならそれでいいけどよ」

「うん」

小さな唇を鳴海が塞ぐ。口腔も狭い。鳴海の舌でいっぱいになってしまう。

それでもエレオノールは懸命に舌を絡め、官能を返す。

深いキスを交わしながら、エレオノールは自分の手が掴んでいるものが鳴海のシャツであることに気が付いた。

全裸の自分とは違い、鳴海は服を脱いでいない。ジーンズを少し下ろし、ペニスを窮屈から開放しているだけ。

「ね、ナルミ…は?このままじゃ辛いでしょう?」

自分を気持ちよくさせてくれたものの、鳴海自身は射精をしたわけでも何でもない。

エレオノールは起き上がり、鳴海の股間に目を転じると彼のペニスは苦しそうに張り詰めたままだ。

 

 

「あの…入れてもいいのよ?こんなに大きいの、今の私に入るかどうか、分からないけれど…」

「多分入んねぇ。だからいいよ、今は」

鳴海はベッドにごろん、と仰向けになった。

「急がねぇでもいい。少しずつ少しずつ、回数を重ねていけばそのうちに、な」

確かに生殺し状態は辛いには辛いが、鳴海はエレオノールに無理強いする気はない。

時間をかけて気を静めればいつかはペニスの興奮も冷めるだろう……と思う。

「それにオレはおまえが気持ちよけりゃそれで…って、お、おい」

鳴海は慌てて跳ね起きた。

エレオノールが身を屈めて鳴海のペニスを咥えたからだ。

「いいって、そんなことせんでも…ぅ…く……オレは…あ…」

小さな舌がチロチロと鳴海のペニスを這い回る。

白魚のような両手でペニスの根元を捧げ持ち、亀頭の傘に舌先を引っ掛けられると言葉を失うほどの快感が鳴海を襲った。

鳴海は手を伸ばし、エレオノールの顔を隠す長い銀の髪を避けて、その白い顔がよく見えるようにした。

さくらんぼのような可愛い唇を歪めて、赤黒い欲望の性器を咥えているその様がよく見えるように。

薄い星明りを受け影が落ち、凹んだ頬は痩せこけているようだ。

鳴海は肉欲に火をつけられて頭の中をエレオノールの愛撫で満たしながら、自分の股間に蹲る白い塊を見つめた。

全裸の美少女が自分のペニスを美味しそうに頬張っている、この絵はかなり淫靡だ。

オレにはロリコンの毛はないが、こうやって経験してみると少女じゃないと愛せない男の気持ちは、まぁ分からなくもないかもしれない。

尤もオレはエレオノールじゃなければ年端も行かないいたいけな少女に手を出そうなんて気は起きねぇけど。

鳴海は自分の行動にそう言い訳をくっつけて、その淫靡なエレオノールの姿にのめり込む。

 

 

エレオノールは恍惚の表情を浮かべ、青筋の浮かぶ肉幹に唾液をたっぷりと垂らし、狭い口に入りきらない鳴海のペニスを扱く手の滑りをよくした。

できる限り喉の奥まで鳴海のペニスを咥え、首を振る。裏筋の辺りにエレオノールの舌が掠め、背筋がゾクゾクするくらいに気持ちがいい。

「エレオノール…」

エレオノールは鳴海のペニスを愛する動作はそのままに扇情的に鳴海を見上げた。チロリ、と小さな舌で亀頭の窪みを舐めてみせる。

エレオノールは自分の愛撫で鳴海が喘いでいることが嬉しくて堪らない。

大昔、金に強いられていた頃は苦痛でしかなかったこの淫猥な行為が、今では無上の悦びとはどうしたことだろう?

鳴海にだったら少しも苦ではない、むしろ楽しくて仕方がない。自分の舌の動き、手の動きひとつで鳴海が切なげな低い唸り声を漏らすことが。

愛情とは、如何に皮肉で残酷で、分かりやすく大事なものか。

 

 

「あ…も…エレオノール、出ちまう…口を、放せ…」

鳴海はエレオノールの肩に手を置き、顔を上げるように促した。

けれど、エレオノールはそれに構わず、更に深くペニスを飲み込み、擦りあげる手のスピードを上げる。

「駄目だってのに……ぅっ…ふ、っ…」

鳴海の精液が大量にエレオノールの口の中に吐き出された。それはあっという間に小さな空間を飽和させる。

エレオノールはできるだけ零さないように舌で受ける。

「むぐ…」

「吐け。ほら」

鳴海は自分の手の平を皿にしてエレオノールの眼前に差し出した。が、エレオノールは首を振る。

「ん…ンぅ…っ」

エレオノールは何度かに小分けにして、鳴海が長年自分に対して溜め続けた苦くて濃密な想いを飲んだ。

「無理すんなよ……ネバネバして気持ち悪ィだろ?」

「そんなことない。美味しいわ」

エレオノールは唇に残る苦味を舌で拭う。

「さんきゅ…」

「私、いくらでも口でしてあげる。私の身体がナルミを受け入れられるようになるまで」

 

 

鳴海は自分の衣服を全部剥ぐ。

一糸纏わぬ姿になって再びエレオノールの身体を横たえると、自分の味の残るエレオノールの口腔が元の甘い味になるまで濃厚なキスを繰り返す。

鳴海とエレオノールは飽きることも厭きることもなく、お互いの身体を交互に愛し続けた。

 

 

 

 

 

その夜が明けた時、鳴海の忍耐に忍耐を重ねた、長い長い夜もようやく明ける         

 

 

 

End

 

 

 

 

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