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私はあなたが好き。
私はあなたが好き。
私は死ぬまであなたの傍にいる。
私は死んでもあなたとともにある。
私はあなたのもの。
私はあなたのもの。
私はあなたの女。
私はあなたを愛している。
どんなときでも。
あなたがどんな姿でも。
他の男のどんな完全な身体よりも
あなたのたった一片の肉の塊を、私は愛する。
私の愛しいあなた。
あなたは生命の水で私と同じ『不死人』になった。
おかげで私はもう永い時間を独りで歩かなくてもいい。
あなたは『人形破壊者』になって自動人形との戦いで地獄を見た。
そしてあなたは手足を失った。
地獄の果てにあなたは心もが壊れかけた。
壊れた心で私を憎悪し、私の命を壊したがった。
でもそれも
今では遠い日々。
ずっとオレはおまえと生きていく。
あなたは私にそう言って、私の大好きな笑顔をくれる。
だけど、それらは遠い日々なのに、あなたは今でも時折
絶望の深淵をのぞく夢を見る。
私は知っている。
それはあなたの心にほんの少し残る虚無の欠片が見せる夢。
あなたの身体が石となり、粉々に砕けていく夢。
手足を失い動く術を失ったあなたの身体を灼熱の火の柱が焼く夢。
私の生首が深紅の血を滴らせて地面に転がる夢。
その生首を抱いて、あなたが慟哭する夢。
あなたは闇に跳ね起き、暗い汗を全身に流す。
自分の両手の存在を確かめ、その手で顔を覆う。
あなたは私の身体にしがみつき、全身を襲う震えを隠そうともしない。
私の首筋に触れ、私の頭の存在を確認する。
私はそんなあなたを抱き締めて
ここが、あなたのいる場所が現なのだと教えてあげる。
大丈夫、私がいつでも傍にいるから。
悪夢を見ても、瞳を開ければ独りじゃないから。
温かいあなたの左腕も、冷たいあなたの右腕も私は愛している。
どっちもあなた、私を抱いてくれるあなたの腕。
ときに私は涙を流す。
あの戦いで、あなたの支払った対価について。
私と出会わなければあなたは『不死人』にならなくてすんだのでしょう。
四肢を失うような目に合わなくてもすんだのでしょう。
あなたは即座に答える。
私の身体をやさしく抱いて。
その代わり、ゾナハ病でくたばっていただろうな。
こんなきれいな女を抱くこともできず、愛することもできねぇ、気の毒な短い人生だ。
この手足はおまえと生きていくための代償だと思えば安いもんだぜ。
あなたはそう言って私の涙を明るく笑い飛ばした。
やさしいあなた。
私の愛しい唯一無二の男。
私はあなたを決して独りにはしない。
ずうっと傍にいてあげる。
あなたにキスをあげる。
あなたに子守唄を歌ってあげる。
安らかな眠りがあなたをやさしく包み込むまで。
虚無の悪夢があなたに近づけないように。
私はあなたが好き。
私はあなたが好き。
このままずっと歩いていきましょう。
死が今生の私たちを分かつとしても魂はもう離れない。
私はあなたのもの。
私はあなたのもの。
私はあなたの女。
あなたのためだけに生きていく。
歩きついた先で、私は必ずあなたの死を見届けて
すぐにあなたの背中を追いかけるから。
永遠に私はあなたのもの。
永遠にあなたは私のもの。
End