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『からくりサーカス』鳴しろSS置き場です。
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原作にそったパロディです。

 

 

 

 

 

 

 

こんなに。

こんなにも、誰かのことを想う日がくるなんて。

ほんの、本当にほんの少し前までは考えもよらなかった。

 

 

 

こんなにも、のめり込む様に、誰かのことを想う日がくるなんて。

切ないくらいに。

苦しいくらいに。

 

 

 

私のしてしまった、そしてしてあげられなかった後悔が私の胸を締め付けて。

もう、あなたのことしか考えられなくて。

いつの間にか、私の心は、あなたでいっぱいになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sometime somewhere

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はあの日からずっと、同じことを繰り返し、繰り返し、想い出している。

あなたとの想い出、それは極僅かしかないから。

だから、同じことばかりを大切に繰り返し、繰り返し、想い出している。

 

 

 

 

あなたとの想い出は本当に本当に僅かしかない。

たった一日の想い出。

私があなたと過ごした時間はたったそれだけ。

 

 

 

でも、たったそれだけでも。

私にとっては掛替えのない時間。

何物にも代え難い宝物。

 

 

 

たった一日。

たった一日の想い出が、それまでの私の90年を軽く凌駕する。

私の三万三千日って、一体何だったのだろう?

 

 

 

私はたった一日の想い出を何度も何度も繰り返す。

あなたのやさしさを。

あなたの温かさを。

 

 

 

私の網膜に焼き付いたあなたの姿。

私の鼓膜を震わせたあなたの声。

私の肌に沁み込んだあなたの感触。

 

 

 

私は決して忘れない。

時が経ち、色褪せていくのではなく

より一層鮮やかにあなたを私は思い出す。

 

 

 

ヒトの感情は時間と共に薄れていくのだそうだ。

愛情も悲しみも、グラフにすると右肩下がりになる。

いつまでたっても水平を維持できるのは憎しみのみだという。

 

 

 

でも私は決して忘れない。

あなたを決して忘れない。

私にとっては、あの一日が私の永い人生のすべて。

 

 

 

幻でもいい、あなたに会いたい。

夢の中でもいい、あなたに会いたい。

幽霊でもいいの、あなたに、会えるのなら。

 

 

 

あなたが生きていてくれるのなら

私はどんなことでも受け入れる。

私の前にもう一度、その姿を現わしてくれるのなら。

 

 

 

どんな姿になっていてもいい。

私を嫌ってたっていい。

誰か他の人を好きになっていたってかまわない。

 

 

 

何の見返りも求めない。

そのために命を差し出せというのなら、命をあげる。

私は何もいらない、何も欲しいものはない、あなたの、他には。

 

 

 

だから。

だから、帰ってきて。

私のところに戻ってきて。

 

 

 

あなたにやさしくするから。

温もりには温もりを返すから。

今度こそ、あなたが笑顔を必要とするならばちゃんと笑うから。

 

 

 

町を歩いていても、角を曲がった途端

あなたがひょっこり立っているような気がする。

あの、私の大好きな笑顔で「よう、久し振り」って。

 

 

 

真夏の眩しい太陽も

道端に何気なく咲く花の花言葉さえも

私にあなたのことを想い起こさせる。

 

 

 

私はあなたのことを想っている。

私のすべてがあなたを求めている。

ああ、想いの丈をこめて、誰かのことをこんなに恋い慕う日がやってくるなんて。

 

 

 

これまで私は私、他人は他人と割り切って生きてきたのに。

誰のことにも興味なんて持ったこともないのに。

他人との関わり合いなんて、煩わしい以外の何物でもなかったのに。

 

 

 

 

 

氷のような機械仕掛けの心に誰も棲むことなんてできなかったのに。

 

 

 

 

 

あなたがいなくなってから

あなたを想うこの気持ちの名前が

愛だったと気がつくなんて。

 

 

 

 

 

私は莫迦だ。

 

 

 

 

 

何もかも手遅れ、なのだろうか?

生まれて初めて知った恋心は報われないのだろうか?

もう二度と誰のことも、こんなには好きになれない。

 

 

 

あなたのような人にはもう二度と出会えない。

あなたの代わりはいない。

どこにも、あなたは、いない。

 

 

 

いなくても。

もう二度と会えない人なのだとしても。

それでも、私はあなたを愛し続ける。

 

 

 

永遠に。

あなたが私の心に棲む限り。

そしてあなたが私の心から消えることなどありえない。

 

 

 

私は。

いつかどこかで、あなたに再会できるという希望を完全に捨て去ってはいない。

私は、あなたが死んだという事実を、完全に受け入れてはいない。

 

 

 

 

 

私は希望の欠片に縋って生きている。

 

 

 

 

 

私は今日もあなたを思い出している。

同じことを、繰り返し、繰り返し想い出している。

そう、何度でも、何百回でも、何千回でも、何万回でも。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、いつかどこかで、私と必ずまた出会って。

私を見つけて。私に、声をかけて。

私はその日をずっと待ち続けるから。

 

 

 

End

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