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『からくりサーカス』鳴しろSS置き場です。
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原作にそったパロディです。

 

 

 

 

 

 

 

粉雪が舞い落ちる。

 

私にも、あなたにも平等に。

 

粉雪が舞い落ちる。

 

私とあなたの間に穿たれた大きくて深い溝を

 

この雪が埋めてくれればと思う。

 

 

 

 

 

 

 

SNOW  DANCE

 

 

 

 

 

 

あなたの言葉は鋭い氷の刃。

 

いとも容易く私の胸を貫いて、刺さったまま抜けることはない。

 

もう私の心は針鼠のようになってしまった。

 

私の心は哀しくて悲しくて血の涙を流す。

 

でも、それでもいい。

 

あなたが生きていてくれる方が

 

死んでしまったと、もう二度と会えないのだと

 

後悔の涙を流すよりもずっといい。

 

憎悪の瞳をあなたから向けられても

 

あなたの姿を瞳で追える今の方がずっといい。

 

私を憎んでもいい。嫌ってもいい。

 

私はあなたに殺されたっていい。

 

だから、もう、死なないで。

 

私の傍からどこか知らない遠くへ行かないで。

 

傍にいて、傍にいて、私の傍に。

 

あなたの憎い私はここにいる。

 

その憎悪で滾る瞳でどうか私を追いかけて。

 

その憎悪で満ちた心で私だけを考えて。

 

あたかも恋をするように私で心をいっぱいにして。

 

 

 

 

 

粉雪が舞い落ちる。

 

サラサラと音もなく、真っ白い空から螺旋を描いて堕ちてくる。

 

突然振り出したこの雪は外で仕事をするあなたの身体を白く染めた。

 

私はこの粉雪になりたい。

 

あなたは私に「傍に寄るな」と言う。

 

だからせめて雪になってあなたの近くにいきたい。

 

あなたの髪を撫でて

 

あなたの頬に触れて

 

あなたの睫毛にくちづけをして

 

あなたの肩を抱き締めたい。

 

触れたらまもなく溶けてしまう儚い身体なのだとしても

 

私はその真白な一片になりたい。

 

 

 

 

 

 

粉雪が舞い落ちる。

 

私にも、あなたにも平等に。

 

粉雪が舞い落ちる。

 

私とあなたの間を隔てるこの大きくて深い憎しみを

 

この雪が覆い隠してくれればと思う。

 

 

 

 

End

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