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『からくりサーカス』鳴しろSS置き場です。
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explanation.





このSSに関して何点かの説明をさせて頂きたいと存じます。
また長々と『からくりサーカス』について語るつもりでおります。いつもと変わり映えのしない「原作がこうだったらいいのにな」話です。
原作には齟齬などないと思われる方、世界観が壊されるのがお嫌な方はお戻りください。




■ 勝×阿紫花のCPについて。


散々、「ホモはダメ」と言ってたくせに書きやがって!と思われた方もいらっしゃるかと思うのですが、正直、私は『やおい』の道を通過してきた経験上、BLには寛大な方です。
ただ、鳴海が男とセックスするのだけがダメなだけです。可愛い子には全うな道を歩んで欲しい母心です。
そしてこのCPのSSを書いたのは偏にちささんが好きな組み合わせだからです(笑)。このネタのメールのやり取りをしているうちに書いてみようかな、と思ったわけです。そういった意味では勝×阿紫花ルートは完全にちささんのために書いたようなものです。

ただ、勝という少年は下手をすると心が壊れてしまうような経験を幼いうちから繰り返し受けています。母親の突然死、いきなり現れた自称父親、遺産を巡る骨肉の争い、兄弟たちからの大人気ないそしてえげつない仕打ち、友達からの肉体的精神的イジメ、唯一の心の拠り所だった祖父の死、肉親から受ける誘拐と殺人未遂・暴力、己の出生に纏わる実父からの『エサ』呼ばわり、そして見返りを求めずに自分を助けに来てくれた恩人の行方不明。

小学生の精神ではもういっぱいいっぱいでは?頭が良すぎる彼にとってオーバーヒートを迎えるには充分な材料は揃っているのでは?鳴海の千切れた血塗れの腕を抱えてしろがねの元に向かう間に彼の心が何らかの転換を向かえない方がおかしいくらいに壮絶です。原作ではそれら不遇にも負けず真っ直ぐに立ちむかうわけですが、その過酷な過去のため負の方向に真っ直ぐに進まないという保障もないわけです。少年誌だから正の方向に進んだだけで。

というわけで、このSSでは過去の重荷のせいで病んだ、負の方向に真っ直ぐな勝を書いてみたかったのです。
阿紫花はそもそもが『殺し屋』なんてものをやっている段階で病んでますから、病んだ者同士、魅かれていくわけです。





□ 鳴海×しろがねのルートについて。


原作の1-3巻は全43巻の中でもそれだけで独立できる話に仕上がっています。それ以降が全て後付け設定の積み重ねになっていくわけです。原作は物語をドラマティックに展開させるために結構突飛なストーリーに仕上げられているわけですが、マンガであるのにも関わらずそこを奇を衒わずに考えて物語を展開させてみた場合どうなっていたのかな?なんて思ったことがありまして。

そこで問題になるのがギイです。長くなりますが、ギイの行動の不整合性に関して語らせてください。

軽井沢での一件で、しろがねが鳴海を愛し始めたのに気づいたから鳴海を助けたと後のギイは言うのですが、一部始終を具に見てきた読者はしろがねが鳴海に惹かれているのにも気づけても、基本的に隠密行動をとっているギイが彼女の微妙な心理描写を読み取るのはほぼ不可能だったのではと思うのです。

仮に、長年しろがねを育ててきたギイだから遠目でも分かる、と言う前提で話を進めた場合、カトウナルミという突然現れた人物(しかも行動を共にしたのは1日かそこら)がどんな人となりかも分からない、しろがねが愛し始めたと言ってもどの程度のものか分からない、そもそも鳴海が彼女をどう思っているのかも分からない、将来うまくいくのかも分からない、何にも分からない状況で、おそらく彼女の生涯のパートナーのために残しておいただろう最後の『生命の水』を躊躇なく鳴海に使ってしまうのがかなり無謀な気がするんですよ。

いくら鳴海が瀕死だとしてもあれだけの状況で、彼なら愛してくれると判断する材料ってどこにもない以上、冷静なギイなら不確かな橋は渡らないはず。しろがねの愛する男なのかもしれない、腕の千切れた鳴海が一刻を争う、っていうのなら病院に運べばいいんです。しろがねを思うなら、そこで彼女本人に尋ね、その覚悟を見定めて『生命の水』を使うかどうかを裁断すべきです。そうすれば生身の腕がくっついたんですからね。その上で、数奇な運命の事情を話し、しろがねを鳴海が守る方向で話を進めていくのが本来の筋じゃないかと思ったわけです。

彼女の周りには貞義の魔の手が近づいている、その鍵を握るのは勝で、その勝を守ることが自分の指名だと本人は思っている、もしかしたら勝には貞義がDLされているかもしれない、だからこそギイはしろがねを見守って軽井沢に赴いていたはずなのに、鳴海をゲットした後はふたりでフランスに逃避行。大男を薬漬けにし正体不明にし、肝心のしろがねの存在は秘密にし、今時『しろがね』でパートナー制度をまともに用いているのなんて誰もいないのに命の恩人だと言ってパートナーになるように強要する。

そりゃあ、ギイが鳴海に惚れたからって言われても反論できません。自分が惚れた男だからこそ『しろがね』にしたようなものですよ。ギイと鳴海のCPを愛する人たちが生まれても至極当然の流れです。大体、しろがねを思うのなら鳴海をフランスに連れていって死んでしまったと思わせたまま、「自分が笑わなかったから鳴海は死んだのだ、やはり自分は人形なのだ」、と彼女にトラウマを与える必要がどこにもない。身近に置いて、ふたりの気持ちを育ませる環境作りに専念したほうが建設的でしょう。

鳴海をしろがねと同じ運命に巻き込むというのなら、初めから彼女の傍で『しろがね』をやらせてやれよ、と。しろがねと無関係なところで鳴海に命のやり取りをさせる必要がどこにあるのかと。
(ま、能書きをたれましたが、ふたりを別々にしないとね、『からくりサーカス』の世界にならないから仕方ないのです。そのためにギイは不整合行動をこの後も取り捲るわけです。)
で、何が言いたいのかといいますと、このギイの不整合を取り除いた流れが鳴海×しろがねルートのベースになるわけです。





最後に。
オムニバス形式で話を進めようかな、と思っています。最終回とかは考えない方向で。
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